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男は好きな女性と結婚して、安心感を得たい。 ときめきと安心感は相反するものだから、結婚生活に恋愛のような関係を求めるのは、男にすれば応えられない要求を突きつけられているようなものなんです。
そもそも、恋愛というのは非日常であり、結婚というのは日常なんですね。 非日常的な時間の中ではかっこつけていられても、日常的な繰り返しが続いていく中でずっとかっこつけているなんてできないと思うんです。
たとえば、かっこいいドキドキするような男だって、家では水虫の薬を塗っているかもしれないでしょう?彼とずっといっしょにいたいと思ったら、彼が水虫の薬を塗っているのを目の当たりにしなきゃいけない。 日常的空間で彼の側にずっといるか、非日常空間でかっこいい面だけ見ているか、どちらかを選ばなければいけないんです。
女性は彼と結婚して、妻という彼にとっての最高の女になりたい。 でも、水虫の薬を塗っている姿は見たくない。
それは無理だと思うんです。 人気俳優とか人気歌手とか、セクシーと称される男性タレントにしても、彼らの日常を知らないから憧れるわけですね。
ふだんの姿を見ていないから謎めいて見える。 これがたまたま彼らを小さい頃から知っていて、幼馴染みだったりしたら、「あのコがセクシーな男ナンバーワンになるとはねえ」と思うでしょう。
兄弟にしたって、人から「あなたの弟、すごくかっこいいわね」と言われても、日常の姿が全部わかっているから「そうかなあ」と思うでしょう。 そういう意味では、夫婦だって家族なんだから、かっこよさやときめきを感じなくなって当たり前だと思うんです。
だから、カミさんに「あなた、もっとドキドキさせてよ」と言われても、男は「ドキドキしないからラクでいいんじゃないか」と言いたいんです。 もっと本音を言えば「カミさんまでドキドキさせようと思ったら、疲れちゃってしょうがないよ」ということなんですね。
それに、女として見てほしいという女性だって、いやおうなく女でなくなっていくと思うんです。 女性は結婚して妻になり母になり、何とかさんの奥さん、何とかちゃんのお母さんとなって、固有名詞が消えていく。
だけど、それが安らぎでもあると思うんです。 JさんならJという名の女を捨てるかわりに、奥さんやお母さんと呼ばれる安心感を手に入れているんです。

しかし、困ったことに、女性はそれでは満足しないんですね。

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